(バレてるならいいやとばかりに肩を竦めたその人に、自分が知っていることをぽつりぽつりと零す)
(2011年の稲羽で殺人事件が起こること)
(山野真由美と小西早紀が、足立透に殺されること)
(生天目太郎による誘拐事件が起こること)
(殺人の模倣犯が出ること)
(4月の転校生が事件を解決していくこと)
(イザナミを名乗る存在が、一連の出来事の黒幕と呼べる者だということ……)へぇ、最後のは知らなかったな。
(どこで知ったのかは、問われなかった)
(問われたところで、答えられないのだけど)んじゃ、今度は僕の番ね。教えてもらったお礼っていうか。
まず、最初に。
この世界は、繰り返してる。
(信じられるかどうかは知らないけど、と置いたその人は、“一年”の中の経験を話しだした)仏さんが二つ上がって……っていうか、上げて?
ゲームは終わったんだからって素直に手錠掛けられて、拘置所で取り調べ受けて……
そんな風に過ごしてたら、急に体がグンッて引っ張られてさ。気が付いたら2011年の春だった。4月11日の、天城屋のロビーにいた。
いやぁ、最初はパニックだったよ。
死んだはずの人が目の前にいて、覚えのあるヒス聞いてて……
その上、自分の体は動かないんだから。
いや、動かないってのは違うか。
“自分の意思では”動かせなかった。誰かにコントロールされてるっていうか、僕の体じゃないみたいな感じ?
……そのまま、最初を再現するみたいに山野を落として、日が飛んで、小西も落とした。
僕の意思なんてなかった。
それでも、落としたのは僕の手だった。
(ジュネスのフードコートは、屋上にある)
(町を見下ろせるフェンスに背中を預けたその人は、疲れたように笑って言った)それからは、同じことの繰り返し。
きみが言ったような事件を起こして、生天目を煽って、捕まって。拘置所に行ったかと思えば4月に戻って、人をころして、繰り返して、繰り返して……
もう、何回目かなんて覚えてない。
何回殺したかも、覚えてないよ。
(やがて俯いた顔からは、何の感情も読み取れなかった)→