少年「
ねえ、おじちゃん……お母さんって1人なの? 学校のみんな“お前のお母さん何人もいるっておかしい”とか“お前の父親頭おかしいよ”って、言うんだ。お父さん、おかしくないよね! 歩さんも舞香さんもさくらさんも、千波さんも、はるかさんも……みんな言ってたよ。俺のお母さんになるんだって……言ってた! でも、みんな、こなくなっちゃって! 優香里さんだけは……優香里さんは1番、やさしかったのに」
男「あの野郎……何処までクズに成り下がったんだ。子供にそんな思いさせる親なんて最低だぞ。女が寄り付かないくらいの顔にしてやろうか。太一、お前の母親は1人だ。お前を産んでくれた母ちゃん1人だ。他の女がいくらお母さんになるなんて言っても、なれないんだよ。お前のこと産んでくれた母ちゃんは1人だけだ!」
少年「
じゃあ、俺の本当のお母さん、どこ? 俺とお父さんおいていなくなっちゃうなんて、おかしいだろ! 俺のこと、捨てたの? 俺のこと嫌いになったのかな? だから……俺がげんい、んだから……お父さん、帰ってきてくれないの? 」
男「そんなわけねえだろ! そんな簡単に泣くな! 母ちゃんは……お前のこともあいつのことも大好きだったんだぞ。下らねえこと考えると大きくなれないからな! 飯作るぞ! 今日はカレーだ!」
(少年の目の前で屈んでいる男がいる。彼は泣きそうな少年の頭をぐしゃぐしゃと乱暴に撫でている)
太一くん、一緒に遊ぼ