……入学式で新入生代表の挨拶をしていた時、彼女の凛とした声に惹かれて、何も取り柄のなかった僕は、何でも完璧にこなす彼女に憧れて、それで話すきっかけが欲しくて生徒会に入りました。やっぱり声はかけられなくて……そんな時に痴漢に遭ったんです。あの時の僕は背も小さくて女子みたいな顔してたから。でも、そんな僕を麗子さんが助けてくれました。ああ、この人はやっぱり素敵だって思ってたんですが、“大丈夫かしら? 怖かったでしょう?”ってあの麗子さんが僕を心配してくれて。思わず告白してしまいました……気持ちが抑えられなかったんです。
“好きです、付き合って僕の手も捻りあげてください!”って告白したら“ごめんなさい”って微笑まれまして……その時から自ら声をかけるようになりました。
史郎たちには11回告白したって伝えましたけど、本当はもっとしてました。かなりのペースですね。流石に告白失敗しすぎて落ち込んだんですが、ここだけの話23回目の告白でようやく“根負けしたから付き合うけど、好きなわけじゃないから”と言われて……。
“それなら好きにさせてみせますよ”って伝えたら真っ赤にして顔を逸らしたんです、可愛かった。
そうそう……1度だけあの気の強い麗子さんが泣いたんですよ、それも僕の前で。麗子さんは普段から色んな逃げ道があるのに誰にも頼らないで頑張っていたんです。そんな彼女を見てると、僕が全部受け止めたくなって……彼女の思いもストレスも全て僕が汲み取ってあげないといけないとって。
結果的に全て好きで、今じゃ蔑まれるのも叩かれるのも責められるのも大好きです。麗子さんと同じ空間にいられることが幸せですからね‼︎
(聞きたくない所まで聞いた気がする)
お義父さんはお義母様の何処を好きになったんですか?