(自分の頬を押さえた史郎は、こちらを睨みつけ、私の髪を掴んで床に押し付けた)
……ねえ、何が気に食わないの? 犬で奴隷なんだろ? なら、それならこれで良いでしょ? 幸せでしょ?
なのに人間に逆らっちゃ駄目だよ。飼い主に楯突くなんて、随分と偉くなったよね? 物覚え悪いね? 君は人間じゃない、メス犬。頭の悪い馬鹿犬が生意気なことするなよ。ほらほら、ご機嫌取りしなよ。“犬扱いして下さい”ってさ……床でも舐めて大人しくワンワン鳴いてご主人様に媚びなよ。それくらいしか出来ないでしょ。君みたいな能無しを飼ってあげる僕に感謝しろよ。取り敢えずはこのメスの躾、歴とした人間の女の子に頼まなきゃね。そうだ、これはご飯。ちゃんと綺麗に舐めとりなよ。犬なんだからさ。
(床に牛乳をこぼしながら、震える声で彼は告げた)
♂あなたなんか大嫌いだと言って出て行く