(仕事中に五十嵐くんが走って来ておかしなことを言う。理解出来ないから無視してるといつもふざけている長内が僕の肩を揺さぶって怒鳴ってる。腕を掴まれて長内の車に乗せられて、そのまま病院に。一命は取り留めたが意識がないなんて、さっきから医者は何を言ってるんだろう。そう思ってたけど彼女の姿を見てようやく全て理解出来たんだ)
長内「
自販機でコーヒー買おうと思ったら紅茶押しちまった。リラックス効果がどうとかお前が言ってたわけだし飲めよ……さっきより少し落ち着いたか? 」
史郎「ありがとう。僕は〇〇のこと、解放してあげなきゃいけなかったんだ。彼女が僕を必要としてないのはとっくに気付いてた。〇〇が幸せになるには僕じゃ駄目だったのに、縛り付けてっ……失うのが怖かった。彼女が幸せになるためには他の人が必要なのに。結局、僕の愛なんて単なる自己満足」
長内「
言ったろ、愛なんて存在するはず無いって。そんなん単なる錯覚なんだよ。嫁ちゃんは他の男に股開いて腰振ってその男を選んで男と心中未遂。話し合いだの何だのほざいてた割に嫁ちゃんをただ束縛しか出来なかったお前。どっちも好き放題で自分勝手。お前ら、互いに愛なんてなかったんだよ」
史郎「そう、だね。僕と結婚なんてしなきゃ〇〇だって幸せに……そっか、出会わなきゃ良かったんだ。〇〇が目を覚ましてくれないのも僕が生きているから。長内、僕は〇〇が目を覚ましてくれるなら何でもする。彼女が幸せに好きな人と暮らして〇〇が生きてくれるなら……僕は命なんていらないよ」
長内「
ふざけんな腑抜け野郎。お前が死んだところで現状は良くならねえし、お前の命をクソ女のために捨てんな。大体俺の仕事と後輩の教育はお前の仕事だし。俺の目をつけてた女と心中図ったんだ……相手の男は俺が社会的に終わらせてやるし、あの女も俺が一発殴る。あと、親を泣かせるような選択しようとするお前も後で殴る」
史郎「……君が言える立場じゃないのに」
長内「
うっせえな。もう寝取り寝取られ略奪、一切地雷になったんだよ。ムカつくから暫く仕事来んな。病院で看病して、俺に起きたら知らせろ……マジお前ら2人揃って殴る」
(翌日朝一で会社に行ったら、サボり遅刻常習の長内が来ていて、僕の仕事をしていた。僕に気付くと“みんながやり辛くなるから帰れ”と追い出された。病院に向かい、妻の病室で名前を呼んだけど、相変わらず僕の声では起きたくないみたいだ)
♂先に目を覚ました不倫相手が逃げようとする♂不倫相手の事を全て忘れた状態で目を覚ます