(閉じ込められていた部屋から出て、玄関を開けた時だった。目の前には仕事に行ったはずの史郎がいた)
……今日は部屋から出る気がしてたんだ。本当に外に出られたんだね、おめでとう。束の間の喜びを味わえて嬉しかったね。でもまた押し込められちゃうなんて可哀想。一気に絶望した顔して……可愛いなぁ。
僕のこと裏切るなってあれだけ念押ししたのに、何で言うことが聞けないかな? 今の僕、悲しさと腹立たしさでいっぱいなんだ。
でもね、ちょっとした嬉しさもあるんだ……今日あたり君が逃げ出すだろうなって思って戻ってみたら、ちょうど〇〇が逃げようとしてたんだもんね。なんだろうね、考えることが同じなのかな? 恭子じゃないけど、僕達ってやっぱりそういう運命なんじゃないかって嬉しくて。大好きだよ、〇〇。
お仕置きして、今度こそ逃げられないようにしようね
●逃げる