誰も他人の心配なんてしないよ。自分が思ってるよりも実際誰かが心配なんてしてくれることなんてない。自分が思ってるよりも、周りから愛されてなんかいない。
◎◎さんから愛されない、家族からも愛されてない私が言うんだから……間違いないよ。
あ、でも◎◎さんは別なのかな……心配してくれる人も愛してくれる人も、ちゃんといるもんね。私じゃなくてもいいんだもん。私なんかと一緒にしてごめんなさい。
でもね、どうせ最後なの。警察が来たら、本当に私は一人ぼっちになるの。だったら、嫌われてようと憎まれてようと、最後くらいはって……ごめんね。

(その日、彼女はとても思い詰めた顔をしていた)


←♀(あの思い詰めた顔…ま、まさか自殺?恭子に死なれたら俺は…)……少なくとも俺は恭子のことを大切に思ってるよ。君の嫌がることもしたけど……でも、君と一緒にいたいから結婚したんだ。(自殺を思い止まらせるための方便でもあり、本心でもあり)
←♀やめて、俺に触らないで……こんな生活いつまでも続くはずない。他の皆が心配して警察が来るはずだ。早く解放した方がいいよ。(抵抗の意志をいまだに持ち続けている)