(チョコレートを食べさせてもらうことが続いて数日経った。
表沙汰では私は行方を晦まし、オンボロ寮は以前と同じような状況に戻ったらしいという噂があるとかないとか。
…そういえば最近私たちの部屋に灰色の毛の蒼い目をした猫が気まぐれに出入りするのを見かける…。子猫のくせに大食らいでツナ缶をぺろりと平らげてはそそくさと外に出て行く厳禁な…でもとっても可愛い子だ。毛並みは綺麗だし、首にはボロボロのリボンをつけていたからどこかの飼い猫かな…。まあいいか。

学園生活とか…どの世界にいたいかなんて…今は何もかもどうでもいい…ここに大好きな人とずっと一緒にいられればそれでいい…それだけが今の私の思考を占めている。
膝枕をされながら頭を優しく撫でられてる間にぽつりと呟いた……)

ここにいたいの？
…フフ…いいよ、監督生氏がしたいようにして……(よしよし)
監督生氏が望むならお菓子も、ゲームも、何でも好きなもの揃えてあげる。
…おるとも喜ぶし、好きなだけここにいて。


……はい、またいつもの…あーんして♡

(一粒口に運ばれる。ほろ苦いチョコレートを噛み砕いて中の甘酸っぱい実を味わう……。
いつも口にしている同じ味なのにまったく飽きないから不思議だ…。
………また、疲れや憂いが睡魔に変わっていき、瞼が重くなる……。
ここにいると嫌なことを忘れられるし、大好きなひととも一緒にいられる…叶うならば、ずっとここに一緒にいたい………)















叶うなら、冬の間だけじゃなくて、春になっても夏になっても、秋でも…………ずっと、ずっとずっとずっと……ここにいてほしいな……。

この世界の中の……ボクのそばに………。

ねえ、