おいやめろ!
そんなことしたら鍋が痛むだろ!
(厨房の前を通りすがったジャミル先輩にすぐに火を止められた)
はぁ…怪我とか火傷はしてないな?何かあったのか?
……かなり……虚な目をしているな……大丈夫、じゃなさそうだ。
…スカラビアにくるか?カリムの奴がまた宴を開くと言ってな。
(……………。)
…騒がしいのが無理なら、砂糖菓子でも作ろうか。甘すぎない程度にアレンジしたやつを。
(椅子に座らされ、しばらく待つと黄色くて丸いドーナツのようなものを目の前に置かれた)
ひよこ豆のラドゥーだ。自分で食べれるか?
(頷いて少し割って食べると、餡子や羊羹のような甘みをほのかに感じる…。
優しい味がして、おいしい…)
なら良かった…。俺もせっかくなら頂こう。
隣、失礼するぞ。
(隣に座って皿に手を伸ばし、ひとつ摘んで上手くできてるな。と独り言を呟かれる…。
ゆっくりした時間のなか、お菓子をジャミル先輩と食べているうちにどんどん元気が戻ってきた…)
これで元気が出たのか?そうか、君は本当に……いや、言うのはよそう。
余ったやつは持って帰っていいぞ、早めに食べるようにな。
空の鍋をかき回す