ルーク:なんと…これは…ボーテ…マーヴェラス…。
流石のルークも言葉を失うほど、と言ったところかしら。本人の持ちうる素材を生かして最大限に魅力を引き出す…アタシのメーキャップの技術は確かでしょう。
(珍しい衣装が手に入ったので来てくれないかと半ば強引にポムフィオーレ寮生の人達に連れられて……
漢服と着物が融合したような見るからに高価な衣装を時間をかけて着付けられた。
メイクは眉毛や睫毛、髪等を魔法で真っ黒に染め上げてもらい、頬紅は控えめな杏色、目元や唇にはスッと紅色をさされ…。
シンプルな色味のメイクが外しになって主役の衣装に劣らず勝らずバランスを保っている…ような気がする、と鏡を見ながら思った)
この衣装どのジャガイモに当ててもまったく似合わないの。
なぜかと分析したら簡単な事……どいつも凸凹が多すぎたのよね。
そこでアンタが打診されたのよ、まっさらな平たい顔一族の代表者のようなアンタが。
(髪を結いあげられながら流れ弾の如くディスの言葉を浴びせられる…ほぼ事実だし彫りの深い美人に言われるとぐうの音も出ないし反論も意味がないだろうからそうなんですね、と相槌を打つ)
この衣装は布の繊維の一本からこだわったオーダーメイドの中でも特注の中の特注品。
お金に換算したら数百万マドルもする代物よ。
手に入れるのに苦労したわ。
(値段を聞いて身体が強張った。…少しでも、汚そうものならどれくらい弁償しなければいけないのだろうかと考えが巡る)
ルーク:フフ、毒の君、自覚させるつもりがかえって緊張に変わってしまったようだ。
アタシが余計なこと言ったとお思い?
まったく図太いんだかそうじゃないんだか…、ほらおしゃべりしている間にヘアセットは終わったわ。
百面相してないで姿勢を正しなさい、顎は引く。
そう、それでいいの。
誇りなさい、今のアンタはこのアタシですら着こなせない服を完璧に着こなせているのよ。
今この瞬間美しいのは…監督生、アンタよ。
(肩を持たれ、鏡越しに最高の賛辞を送られてはい、と気持ち大きめの声を返すと共に背筋が伸びた)
…さて、美しい者は相応の作法を習うのが常識。
これ着ながら一通りのディナーをいただくレッスンをするわよ。箸の使い方は分かっているわよね。
まさかそんな社交会に出る機会なんて自分にはないと思っているのかしら…そんなこと考えたこと後悔するくらい徹底したマナーを叩き込んであげるから覚悟なさい。
(この後めちゃくちゃレッスンした…)
ポムフィオーレで着替える