………強がるねぇ…フヒッ。


(……ダンジョンを進むとあるアイテムを探すミッションコマンドが出てきた。
……隠されたアイテムのあるステージをざっと見てみると大きなコンテナやらがいくつもあって、いかにも何かいる雰囲気が……)


ヒント……アイテムは結構奥に隠してるよ。
あと途中で出てくる“何か”は絶対回避できない仕様なんで。


(……優しいのかそうじゃないのかわからない忠告を聞いて少し身構える………。
少しずつ奥の方へ動いてみる…音はしないし何かが出てくる気配もない……。
もう１.２歩歩いてみる……やっぱり何も起きない…。
普通に歩いてみても何も起きない…本当にクリーチャーを配置しているのか…？と思いながら進むと、あるボックスに反応した……アイテムだ！
急いでそこに近づくと、

ガタッガタガタガタガタガタガタガタガタ


　グッッッ………

と慌ただしく音が立ったと思ったら、何かに…身体を掴まれている感覚が……。
肌が粟立ち、ひやりとした悪寒が走る。

いる。
絶対に何かが後方にいる…振り返らなくてもわかる。
ここまできてリタイアしたくない一心で恐怖心を抑えながら振り返らず進む……！

手を伸ばし、ボックスを手に取って開けると……アイテムは空だった…！初見殺しのダミー…！！
焦りと恐怖で混乱しているとそこかしこからガタガタ…ズルズル…バコッ！！と四方から、地面から湧き出てきた…！
目の前には眼孔から黒い血を流し、腐食の進んだグロテスクな屍人や所々真っ黒な血液のシミをにじませ狂気的な笑みを浮かべる動物の着ぐるみが迫り来る…！

おまけにギッ、ギッッゴゴゴ……とくぐもった機械音が聞こえたと思ったら不明瞭なオルゴール音で闘牛士の歌が奏でられる………！
もう逃げられない絶望感と延々続く恐怖が一気に押し寄せてくる…！

もうこれ以上は無理…！！