(最近だが、昔ながらだか不明だがーー城下街の一角にぽつんとできた『もぐらコロッケ』なる商品を売っているお店がある。最近地味にマイブームになりつつあり、今日も足を運ぶ。
頭に残るんだから残らないんだかわからない不思議な曲が有線ラジオから流れてくるのを聴き流しつつ『コロッケのくちでもない』のに綺麗に並んでいる商品を見つめる)
(すいません、このもぐらコロッケを3つ…5つください)
(受付のカウンターは狭く、店員さんの顔は全く見えないし、何も言葉を発さない。
さっとトングでコロッケを掴み、ガサガサと紙袋に入れられ渡される。そのわずかな時間で見える情報は店員の手はふわふわの白く丸い手であることだけだ。
獣人…にしても小さすぎる気がするしあまりにもデフォルメが過ぎると思うがそれよりもコロッケを早く手に取りたいのでそんな雑念は数秒で消えた。
料金を支払い、一言礼を言って店を後にする)
(せっかくだから一つ食べ歩きしながら街を散策しよう)
(ガサガサ、ほぐ、さく、ホフホフ…おいし)
(もぐらコロッケ 中はしっとり 外はサクサク おいしくてー)
(ソースやマヨネーズなんかをつけなくても物足りる優しい味付けだ。何よりこの芋のタネの食感がいい)
(そんなジャガイモ育ててくだすった 人達にー 感謝ー ひーとーたーちにー か ん しゃーー⤴︎)
(あっという間になくなってしまった…もっと食べたいけど、残りは今日の夕飯にするんだと決意して引き続き城下の買い物を楽しむことにした。
今度はグリムやマブ達を連れて一緒に食べてもいいかな。
気が乗れば風変わりなアジフライ コロッケやいちご コロッケやたこ 入りコロッケなんかにも挑戦してみたいし)
もぐらコロッケ