(ある日、購買で取り寄せた『マリア様が見ている』や『らんま1/2』を読みながらオンボロ寮の自室でゴロゴロしていると玄関ドアを破壊する音が聞こえた。
毎回毎回荒い方法でここに来る野郎が多すぎる……。
今度は誰だ…と玄関の方へ向かうとその人物にぶつかりそうになった！
………オルト！？)


監督生さん！ごめんね、ノックもしないで入り込んで…！今とても大変な状況になってるんだ！！


(大変な状況とは…？)


今日3年生の魔法薬学の授業で性別を変える薬を作っていたらしいんだ。
それで完成したのはいいんだけど、それを兄さんが頭から被ってしまって…それで、それで……




兄さんが姉さんになっちゃって……！！！



(……な、なんだってー！？
そんな薬を授業で作ることがそもそもおかしいし、なぜまたピンポイントで1人だけ被るのか、被ってそうなるものなのかとぐるぐる思考が回る……アレ？さっき見た漫画も確か…)


監督生さん？………考えるのは後にして来てほしいんだよ！
ここで唯一の女の子の監督生さんを傍に置いておかないと兄さんが…アレ、今は姉さん…？
…ええい、どっちでもいいや！
とにかくイグニハイドに今すぐ連れて行くから！！


(すごい力でグイグイ引っ張られる……ちょっ…腕がちぎれる！！)

イグニハイド寮へー