そこは、鮮やかな菫色に埋め尽くされた楽園だった。花々は咲き乱れ、しずしずと風が吹き抜ける。頬を撫で、髪を乱す風は眠りを誘う香りを纏い…それに誘われるように、夢魔も一歩踏み出した――
いや~、徒歩でここまで来るのはさすがに応えたけれど…ああ、これはやはり自分の脚で、自分の目で見てこその景色だ。
ラベンダー畑でつかまえて