ニュースキャスター
「次のニュースです。
 先日××県××市××町在住の高校生が
 トラクターの前に飛び出しショック死しました……」

(うわ、なにその死に方。
 トラクター見てショック死とかレアすぎる……
 というか遺族はどう思ったんだコレ)

朝のニュースをなんとなく見て
珍しい死に方をしたどこぞの青年に心の中で念仏を唱えつつ
いつも通りの時間に家を出た。

変わらない街並み、変わらない日々
まだ若いはずなのにそんな繰り返しに辟易としている
自分がいた。

(中二病ってやつだろうかこの感覚は……)

そんな事を考えつつ人込みを避けつつ歩を進める。
目的地まであと数分、今日も退屈な一日が始まる……

男性の声
「そこのニーチャン!!あぶねえっ!!避けろぉーーっ!!」

上からの声に驚き顔を上げると大きな看板が落下して来ていた
回避の為に即座に横に飛び退いた。
しかし、その行動は間違いだった。

とっさの判断で飛び退いたまでは良かったが
飛び退いた先がまずかった。
通勤、通学時の朝の車道。
俺のすぐ目の前には大型のトラックが迫っていた。

(ヤバイ!今すぐ歩道に戻らないと……!!)

だが遅かった。
気づいたときには衝撃と共に意識は遠のき最後に見たのは建物の
隙間から見える青い空と物憂げに鳴く数羽のカラスだけだった。





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