(貴女から傘を奪うと、その腕で貴女の肩を抱く夷澤。)

こうすれば、お互い濡れずに済むでしょ。

(夷澤の突然の行動に少し狼狽え、周りをキョロキョロと見渡す貴女。)

……。オレたち以外…誰もいませんよ、センパイ。
もし見られてたとしても、傘で隠れているおかげでただのカップルにしか見えませんし…。


すみませんね、オレが傘を忘れたばっかりに。


(白々と、しかしどこか楽しそうな声である。)


【持ってきた2】