じゃ、オレのに入っていってください。

――――ああ、ダメっすよッ。風邪ひいたらどうするんすか。
こういう時こそ、後輩であるオレに甘えてくださいよ。


(夷澤は傘を傾け、貴女を待ってくれている。
ぺこりと頭を下げて、夷澤の隣にお邪魔した。)


いいえ、どういたしまして。

予報だと、明日もこの調子で降り続けるみたいですよ。
うんざりしますよね、雨ってテンション下がっちまうし。

…今日は別っすけどッ。


(嬉しそうな夷澤の声に、思わず笑みがこぼれる貴女。
一人用の傘を器用に使うなあ。と感心したのも束の間、よく見ると夷澤の肩は少し濡れていた。)


【忘れちゃった】