【夷澤】
――――…センパイ。
どこ探してんすか。反対側に落ちてましたよ。
(振り返ると、夷澤の手には探していた指輪が。)
【夷澤】
……。良かったですね。見つかって…。
(満面の笑みで頷き、ホッとしたように指輪を握り締める貴女。)
【夷澤】
…………。
(お礼を言おうとした瞬間、痛いくらいに腕を引っ張られた。)
【夷澤】
礼とかいいから。用が済んだのなら、さっさと帰ってください。
オレこれから校舎の見回りに行かないといけないんで。
今度からは落とさないよう気をつけることっすね。
次は返してやりませんから。
【彼から貰った指輪…(ぐすっ)2】