(ふと、彼─リボルバーの事が頭を過った)
(何故かはわからない…が、彼をもっと知りたいという気持ちが私の中にある)
(…まだ時間はある。とりあえず、賑やかなこの街から離れて自分の考えを整理しよう)
(ボードに乗ってしばらく移動を続け、街があるエリアから出てみた。
移動しながら考えをまとめていたせいか、かなり遠くまで来てしまったようだ。
今いる場所は…)
何故ここまで来た?
考え事をしながら1人で長距離移動とは、危機感が足りていないようだ。
怪我や衝撃が現実にも影響することを忘れたか?
(背後からの声は、リボルバーのものだった。
同じくボードに乗っている。
探す手間が省けた。まだ考えは決まっていないが…
正直に話してみることにした)
お前もSOLの催しに乗せられているのか。
(違う…とは言い切れないが、今この僅かな瞬間だけでいい。
私はリボルバーの事を少しでも知りたい。
誰かに聞いた話や作られたイメージではなく、彼自身にちゃんと向き合いたい。
敵だからと決めつけて、何も考えないまま戦うのは嫌だから)
…フン。
暢気な奴だ。
お前が俺といるのを目撃される可能性もあるんだぞ?
そうなればプレイメーカーの仲間として大衆に認識されているお前は、
一転して敵であるハノイの間者と叩かれ騒がれるだろう。
それでも構わないと?
(…LINK VRAINSに初めてアクセスした時に、アバターの調整が気に入らなかった為に使わないでいるアカウントがある。
プレイメーカーには迷惑をかけないように、そのアカウントを使って、アバターを作り直せば…
ハノイの騎士に少し似せて作れば、誰かに見られてもハノイのメンバーとして認識される…はず)
そうか…好きにするといい。
(言い終わると、リボルバーがボードを私の横につけ、手を差し出した。
すると、彼の掌に地図が浮かび上がった)
明日の22時、この場所にいる。
当日になって気が変わったなら来ずともいい。
私はもう行く。
明日、どうするかよく考えておけ。
→
約束の日だ…