は?あ、おいッ…!

<走り去るあなたを引き留めようと伸ばした手は空を切り、彼はそのまま遠くなって行く後ろ姿を見送るしか無かった…>




………、

(何だよ、あいつ…ワケ分かんねぇ……)

<手元に残った絆創膏に視線を落とすと、ぐっと握りしめ そのまま拳ごとポケットに仕舞い込む>

("お大事に"…か。
……押し付けられたとは言え、借りは返した方が良いよな…)

<今はもう人っ子一人居ない向こうを見遣り、またフードを深く被ると 踵を返して夜の闇に消えて行った…>
街中で配ってるティッシュだと思ってもらって下さい。(絆創膏を数枚押し付けて立ち去る)…お大事に!