(パチパチと散る火花はあなたの顔と一郎の顔を微かに照らしている…)

あぁ、…綺麗だな。

じゃ、さっそく俺もやるとすっか!
…んー……おっ、何かすげぇのあんじゃねぇか。ほら、これ4色に変わるらしいぜ。これにしてみっかなぁ…

>やっぱ空中に何か描くのは鉄板だよな!えーっと…ばすたー、ぶろ…ッちくしょー消えたぁ!
>何ガキ臭いことしてんだよ、やっぱり低能はこれだから…ッ花火をこっちに向けるな!危ないだろ!!
>ついでに火付けてやろうとしたんだろーが!橋渡しで次のに火付けるのもお決まりだろ!
>僕はそんなこと頼んでない!花火の火の温度は約500~600℃にもなるんだぞ火傷させる気か!!

っあいつら……悪いな、騒がしくて。

(言いながら一郎がそっと手持ち花火に火を付けると、すぐに金色の光が流れるように散った)

っと…おぉっ、綺麗だなぁ。花火なんて、ずい分久しぶりな気ぃするぜ。
……線香花火もあっから、締めにやるか。

あ、誰が最後まで長く残ってるかってやつやろうぜっ

…一番最初に落ちたやつは、後日アイス奢りってことで。

(楽しそうに笑う一郎の横顔が、赤、青と順々に変わる火花に照らされている…)

あ、そういえば線香花火の燃え方に名前があるって知ってる?
綺麗…