上手いなぁ、俺はそんなに描けないから羨ましいぜ。
(振り向くと、スケッチブックを覗き込む一郎の顔があった)
あ、悪いっ…勝手に覗いちまって。なに描いてんのかなーと思ってさ。

懐かしいなぁ…学校の美術の授業でよく模写とか出ただろ?
俺あれすっげぇ苦手でさー……光がどっから差してて、その時にこっちの面は影が落ちて暗くなるから濃く塗り潰してーとか…
何回やっても先生に「こっちはもっと濃くなる」とか「こっちはもっと薄く描いて」とか言われて訳分かんなかったぜ…。
描けない俺からしたら、そんだけ描けるのは羨ましいモンだ。