(あなたが声に出すと、一郎は微かに片眉を上げた…)

…そうか。

参ったな……俺だけが傷付けば良いンだったら、どうとでもなるんだけど…。

(思案するようにオッドアイが宙を見る…)

…〇〇。
分かってると思うが、俺はお前を傷付けたく無い。

それに、仮にやるとしても 書いてある事が具体的じゃねぇと思う。
例えば…傷付けるにしても、精神的か肉体的かで意味合いはだいぶ違って来るし、オマケにその度合いも書いてねぇしな。

逆に言えば、そこが書いてないからこそ 俺らの解釈で良いっていう意味合いにも取れる。

(改めるようにあなたに向き直り、一郎の目が真っすぐにあなたを見つめた…)

…だったら、俺はお前の精神に傷付けたくない。どんなに小さな傷でもだ。
肉体の傷は治っても、精神面の傷はなかなか癒えないこともある……だから、少しでも傷付きゃ良いんだったら、俺は後者を選ぶ。

(刹那、場にそぐわずふっと表情を緩めた)

つっても、本当に怪我をさせる気は無ぇから安心してくれ。虫刺されぐらいの傷しか付けねぇよ。

……俺の選択はこうだけど、お前の選択は お前に任せる。

俺はとりあえず壁とかに穴開かねぇか試してみっから、その間に考えといてくれ。

髪を切ったらダメかな?
相手を傷付けないと出られない部屋