(脇に置かれた灰皿の傍らに立ち 取り出した煙草に火を点けると、ジッと向けられていた視線が何となく和らいだ気がした…

横目で様子を伺うと、ちょうど軽快な通知音が響き 同時に彼は重く短いため息を吐き出す。
無意識なのか、スマートフォンを握る逆の手で絆創膏の貼られた頬を軽く摩っている……)

~♪

(刹那、突如長く電子的な音が鳴り響いた。

電話らしいそれは数秒鳴り響くも 彼の一度のタップであっさりと沈黙する…さすがに相手の名前までは伺い知ることは出来ない)

父親面すんじゃねぇよ…クソが……

(…が、吐き捨てられた呟きは 確かにあなたの耳に届いた。)

…家出でもしたの?
煙草を吸いながら横目で様子を伺う