(浴衣や髪型なども含め相談しながら、程なくして着付けが終わった…姿見に映るあなたはいつもと全く違う雰囲気だ……
「よく似合ってるわ」と満足そうに零す婦人に礼を言うと やはり品の良い笑みを零し、一郎の元に促される…。
窓から見える空はもうすっかり夕暮れ時だ……耳を澄ますと、微かに祭囃子が聞こえて来る…
部屋で待っていた一郎に声を掛けると、その顔がぱっと上がった)
っ、

(目が合った瞬間、一郎の目が大きく見開かれる)
こりゃ………っ悪い、ちっと予想以上だったんでな……言葉が…
(改めてと云うように軽く息を吐いた…)

……うん。すげぇ似合ってる。
…え?かわっ……そりゃ、可愛いっすけど…!……可愛いって言うほうが、女の子は嬉しい…って、そういうモンすか…?
(婦人の言葉に一郎は微かに赤い頬で視線を彷徨わせている…)
ぁー……、…可愛いよ。…想像以上に似合ってたし、…かわいい。
…も、もう良いっすか?俺で遊ぶのはそろそろ勘弁してくださいよっ
じゃ、じゃあ……ありがとうございました。…また明日お返しに伺うので、その時はよろしくお願いします。
(ぺこりと頭を下げる一郎とあなたに、婦人は優しく微笑み 「楽しんでらっしゃいな」と手を振る…
手作りらしい巾着と綺麗な鼻緒が付いた下駄を身に付け、あなたと一郎はゆっくりと玄関を潜った…。
髪飾りがしゃらしゃらと微かな音を立てている……)
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ね、ねぇ一郎…ほんとに可愛い…?