うーん……あっ、じゃあ ちょっと付き合ってくれねぇかな。
今の時間にこそ行きたいところがあるんだ。
ちょっと階段上るけど、大丈夫そうか…?
(頷くあなたに嬉しそうに笑むと、先導するように歩きだす…)
よかった。こっちだ、付いて来てくれっ
………、
(一郎が歩くままに付いて行く…辺りはすっかり街の郊外だ。)
こっち、ほら…掴まれ。
(付いた場所は寂れたステージだった…展望席のような場所に上がり、大きな手を掴んで階段を上る……)
お疲れさん!着いたぞっ

(顔を上げると、眼前に暮れて行く空がいっぱいに広がっていた)
どうだ?スッゲーだろっ!
…これをずっとお前に見せたかったんだ。今の時間だと、日が沈むブクロの街を一望出来る。
(ゆっくりと柵に寄り掛かった一郎の横顔を、茜色の夕日が照らしている…)