(あなたの言葉に、一郎はそっと語り出した…)
あれはそう、2年前の夏のことだ……
俺は依頼で、ある倉庫の整理を請け負っていた。
倉庫のドアは錆びて建て付けが悪くてな…強めに押さないと開かないし、倉庫とは名ばかりで鍵も掛からない有り様だった。
その日は分割してた最後の作業が終わって、俺は終わったことを依頼主に報告しようと倉庫のドアを開けようとした。
だけど、なぜか幾ら押してもドアが開かなくてな…
~中略~
そこで俺はポケットに入っていたあるものを思い出した。そうだ…寺生まれのKさんがくれたお守り……
俺はポケットからそのお守りを取り出し、黒い影に向かって翳した。
次の瞬間、お守りが眩い光に包まれ、どこからとも無くKさんの声が
「破ぁ!!」
お守りは光と共に飛び散り、影の半身を吹き飛ばした…
後日、その話をKさんに話すと「半身を吹き飛ばした?ったく…威力は親父の作った奴の半分か……」
寺生まれってすげぇ。俺は感動を覚えずにはいられなかった。
終 元ネタ: 寺生まれのTさん
寺生まれのKさんの話聞きたい!