うわぁぁああちょっと待て動くないま窓開けるからじっとしてろこのッ…手ぇ塞がって窓が開けらンねぇ!!
ッ……二郎三郎許せ!普段「足で開けるな」とか言ってっけど今は非常事態だっ!!!

(器用に足で窓を開けた)

ああぁぁあ手の中でもぞもぞ動いてるのが分かるーこの分だったら飛べるだろ達者でなッ!!

(離された一郎の両手からセミは勢いよく飛び立って行った…)

……はぁ………なんか、どっと疲れた…。

ぁー……あのわさわさ動いてる脚の感触が手に残ってる……
ッつかなんか手が濡れてンじゃねぇか!あのセミ飛び立つのに体軽くして行きやがってこのっ……今度はウチのルナちゃんに捕まんなよ!!

(一郎の声はセミの声が木霊する青い空に吸い込まれて行った…)

♪にゃあん?(何で逃がしたの?って顔で見つめて鳴く)
♪満足そうに手に落とす