(部屋からは出ていないものの、結果的に約束は守れなかった…
とりあえずドアを開け廊下を覗くと、階下からは三人の声が聞こえる……)
>ほんとなんだって!猫耳と尻尾を付けた女の子が兄ちゃんの部屋に居てっ…!
>はぁ?寝ぼけるのも大概にしろよ…一兄の部屋にそんな女性が居る訳無いだろ。ねぇ一兄!そうですよねっ
……詳しくはお前らが学校から帰って来てから話すんだが、簡潔に言えばあれは…ルナだ。
>ルナ…?
>い、一兄…?ちょっと待ってください…僕は見てないですけど、今の低能の話を聞く限りでは 猫耳と尻尾を付けた女性って…。
いや、俺も朝起きて驚いたんだ。
けど、耳と尻尾の柄とか 言動が完全にルナというか猫のそれでっ…とにかく、詳しい話は帰って来てからだッ
先に学校に行け!遅刻するぞっ
>に、兄ちゃん!ほんとなの!?ほんとのほんとっ?!
二郎、三郎…こんなことで俺はお前らに…家族に嘘を吐かねぇ……
彼女が出来たとか、女の子を連れ込んだってんでも 俺は絶対にお前らには正直に言う。…俺を信じてくれ。
だから、今は早く学校に行け。
>…行くぞ二郎。一兄の言う通り、今は学校に行くのが先決だ
>……行ってきます、兄ちゃん
>行ってきます、一兄。
あぁ。…気を付けるんだぞ
(やけに重たい緊張感の中、ドアの開閉音が響く……と同時に、一郎のハァっと重たいため息が転がった…)
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♪…みぃ、みゃぁ……(耳と尻尾を下げぽろぽろと泣く)