…それよりも、か。

(一郎はどこか自嘲するように口元で笑んだ…)

そうか。……そうだな
怖がってるのは、俺の方だ。

……お前は、もうとっくに覚悟を決めてるんだよな

…なら、俺が覚悟を決めなきゃどうすんだって話だよな。

(意を決したように、あなたの目を真っすぐに見る…)

悪い、…すぐ終わらせるから。
少しだけ、我慢してくれ。

(そっと肩を掴まれ、今度こそあなたの首筋に一郎の唇が寄せられる…)

ッ……ん…

(首筋に一瞬鋭い痛みが走り、次いでヂリッとした熱が襲う…
思わず強張るあなたの肩を宥めるように、大きな手がぎゅっと抱き寄せた)

………はッ、ぁ…?

…っ悪い!つい夢中になって……大丈夫か?!眩暈とか、気持ち悪ぃとか…。

(慌てたようにあなたの首筋にティッシュを押し当てる…一郎の顔色はだいぶ良くなったように見える)
☆それよりも、そんな辛そうな一郎をほっとく方が怖い。私なら大丈夫だから、一郎がいいなら私の血を飲んで欲しい。