(あなたが呟いたところで 見計らったように、ドアをノックする音が控えめに部屋に響いた)

っ…〇〇さん、目が覚めたんすね。……よかった。

(顔を覗かせた一郎は心底安心したように微笑むと、あなたが横たわるベッドの傍らに歩み寄る…
両手で持った氷水の張られた洗面器を傍らに置き、浸されたタオルをぎゅっと両手で絞った)

とりあえず、俺から軽く状況説明を…。
まず、ここは萬屋…俺の家で、ここは俺の部屋です。そんで、…えっと…〇〇さんは、どこまで覚えてますか?

出勤する途中で、俺に会ったことは覚えてます…?

●…うん(こくりと頷く)
●3