えっ……俺なら平気っすよ、雨の中の待ち伏せとかは人探しで慣れてますから。

ぁ…けど、〇〇さんからしたら軒先に俺が居るほうが気ぃ遣わせちゃいますよね…
……すいません、どっちみち〇〇さんに気を遣わせることになっちまって…。

じゃあ、明日…ありがたくお家にお邪魔させて頂きます。

予報では午後から大雨らしくて、猫が来るとしたらたぶんその前後になると思うんすけど…何かあった時のために、念のため……

(一郎はメモにさらさらとペンを走らせると、それを破り取り あなたに差し出した)

これ、萬屋じゃなくて 俺個人の連絡先です。お手隙の際にでも登録してやってください。
今回のこと以外でも、何かあったら遠慮なくメッセージでも電話でも…どっちでも大丈夫なんで。

…それじゃあ、明日また。

……ありがとうございました。

(はにかむように笑みを零すと、一郎は小走りに去って行った…)