(後ろ姿にそう声を掛けると、一郎はゆっくりと振り向いた…)
…ありがとうございます、〇〇さん。……ほんと、優しいっすね。
…ただ、すいません。
俺の気持ちは、そんな綺麗なモンじゃないんすよ。
……言ったでしょ、下心だって。
仲良くなりたいなんて、…そんなのはもうとっくに過ぎてます。
……だから、忘れてください。今日のことは夢だと思って。
こんな気持ち、困らせるだけですから。
……それじゃあ、また。
(一郎はいつもの様にふっと微笑むと、またくるりと踵を返した…)
●相手を知りたいとか仲良くなりたいって気持ちは汚くなんかないよ