(あなたは慌てて携帯で一郎に連絡を試みるも、走りながらでは手元がおぼつかず 上手く連絡先を呼び出せない…

刹那、間近に迫った足音がついにあなたの背後まで)



〇〇さん!驚かせてすいません、っ…俺です、一郎です。とりあえず止まってくださいっ

(聞き慣れた声に振り向くと、軽く息を乱した一郎が街灯の明かりに白く照らされていた…)





ほんとにすいません、怖い思いさせましたよね…。
声掛けようと思ったんすけど、こんな時間だし 〇〇さんもどんどん遠ざかって行くしで とにかく追いかけなきゃと思って…。

…ほんとは出入口で合流する予定だったんすけど、……実は俺 不審者と間違われて…
さっきまで職質されてたんすけど、終わって気付いたら〇〇さんの後ろ姿がすげぇ遠くになってて…それで、慌てて……

…すみません……。

(一郎は心底申し訳なさそうに眉を下げている…心なしかひどく怒られた犬のようにも見える……)

●一郎くんで良かったー(涙目)
●(怖いっ……一郎くん助けて…!)