あんた、いっそ清々しいぐらい全く懲りてねぇな。

前回のこともう忘れたのか？
飯は良い、手出すなつったのをあっさり忘れて よくまたそんな…

(鍋の中を覗き込んだ瞬間、一郎の言葉が途切れた…)

……何だよ、これ

…鯖の味噌煮だってのは分かってんだよ、何でこれを作った

…あんたのことだ。
俺の好物だって分かって作ったんだろ。

……カレー作った時もあんだけ言ったのに、何でこういう…余計なこと……

(どことなく切なそうに俯いた…)