(突然の雨に降られあなたは堪らず雨宿りをしたが、中々雨は止みそうにない…)

おい、

(聞こえた声に振り向くと、ビニール傘を差した一郎が雨のなか立っていた)

何度も連絡したのに何で折り返して来ねぇんだよ。
…まぁ、どうせこの雨で立往生してるだけだとは思ったけど…また何かあったらメンドくせぇだろーが。

ほら、帰んぞ。
このまえ傘一本ぶっ壊してこれしか無ぇから、…隣入れ。

(恐る恐る傘に入り、一緒に萬屋の方向へと歩き出す…が、一人用の傘の大きさではどう頑張ってもあなたの肩が濡れてしまう…)

もっとこっち来いよ、傘差してる意味が無ぇ。

(軽く引き寄せられ、あなたはすっぽりと傘に入った。……一郎の肩は濡れている)
◇出先で雨に降られる