あ、そこ気を付けろよ。
さっきコップ落として割ったから、踏まないように新聞紙敷いて

(刹那、あなたの足先は敷いてあった新聞紙に足を取られガクンと傾いた)

ッ…!

(下にあるガラスの細かな破片が目に映る。痛みと衝撃に備え、あなたは思わず強く目を瞑った…)

……ハァ……間一髪、か…。

(が、衝撃は中々来ない…代わりに、何か温かいものに包まれている…)

あんた、アホだろ。俺が言ったこと聞いてねぇし、足元も全然見てねぇし…って……

(妙な違和感に視線を下げると、あなたの胸に一郎の手が…)

わ、るい。

……や、何で俺が謝って…元はあんたのせいだろ。
あんたがちゃんと注意してればこんな事には…っつか、早く退け。重い。

(無理やりあなたを退かし、迷惑そうな顔をした)

暫く上に行ってろ、あんたに居られっと邪魔だ。


………ッ…思い出すな…忘れろ…。
◇ラッキースケベ