(さすがに重すぎて支えていられない…あなたの体は一郎ごと後ろに倒れ込んでしまった…天井の照明が眩しい……)
ん……?

(一郎はその衝撃で目を覚ましたのか、うっすらと目を開けた…)
〇〇?あれ…俺確かお前と呑んで……寝ちまったのか…?
(あなたが一郎の下で頷くと、ゆっくりと腕を立て ぼんやりとした目で見下ろされる…)
じゃあ、これは夢か…ずい分俺に都合が良い夢だな……お前が居て、お前を押し倒してるなんて…。
…違う?なにが違うんだよ…じゃあ何でお前が俺の下に居るんだ…?
俺が、一度で良いからお前をこうしたいって ずっと思ってたからじゃねぇのか。
…なぁ、お前はよく俺を好きだって言うけど どこまで本気なんだ?……俺は、…お前が幸せならそれで良いと思ってる。
だから、俺は…その相手が、俺がじゃなくても良いんだって、お前が選んだ相手ならって、
(オッドアイが悲痛そうに歪む…)
ずっと、思ってて……
けど 俺がもし言っちまったら、この関係に戻れなくなっちまうんじゃねぇか…俺はほんとに、お前を幸せに出来んのか…とか、色々…。
………お前を、失いたく…ない
(ぎゅっと手を握られると、ゆっくりと一郎の顔が近づいて来る…思わず目を閉じると、徐々に呼吸が近づいて来る気配がより鮮明に分かってしまう…)
……、ッ
(ゴンッ、と鈍い音が響いた)
………。
(あなたが目を開けると、覆い被さるような姿勢のまま あなたの顔のすぐ横に一郎の後頭部が見える…
恐る恐る名前を呼んで体を揺すってみると、"んー…"という短いうめき声と 規則正しい寝息だけが返って来た……
……微かに唇の端を何かが掠めた気もする…。)