あぁ、…そうだな。
(缶を口から離し、少し俯いた…)
いや、悪い……なんか、ほんとに二十歳になったんだなーとか 今さら思ってさ。
…今までは、もっぱら人が呑んでるとこ見てて…つまみだけ貰ったり、酔った人の世話とか、そういうのしかしてこなかったから。
そりゃ成人してないンだから当たり前なんだけどな?
けど、とっくに成人してるモンだと思われて酒勧められたことだって1度や2度じゃねぇし…現に、これ買う時も年齢が分かるモンとか別に求められなかったし。
…そういうルールをちゃんと守って来たのは、俺の主義に反するからってのが何よりだけど……
(そっと顔を上げ、あなたを真っすぐに見た)
そういうのはきちんとした方が、いざって時に気持ちが良いだろ?
…もし俺がそういうルールも守れねぇクソ野郎だったら、たぶんお前と今 こうやって気持ちよく呑めてねぇからさ。
……だから、初めて誰かと呑む酒の相手が お前でほんとによかった。
…言っとくけど、まだ酔ってないからな?
(一郎はへへっとはにかむように笑うと、また一口缶を傾けた…)
◆一郎がビール飲んでる…(感慨深げに眺める)