(一郎の顔が一瞬、グッと歪んだ…)

…あぁ。
あいつは……山田零は、俺たちの父親だ。

二郎と三郎には、その事を切り出されたんで先に話したんだが……俺は 今までお前たちに嘘を吐いてた。

(一郎はどこか苦しそうに言葉を続ける…)

…俺の退路を断つために、親父は死んだって お前たちに伝えた。

あの親父を、当てにしたくなかったからだ。

…俺は、俺一人の手で お前たちを立派に育てる。
そのために、頼れるものは何も無いって…自分自身に言い聞かせていたんだ。

……すまなかった。

(悲痛そうに一郎は頭を下げた)

▽…あの人の目は、私を映してなかったよ
▽謝らないでよ!お父さんが居なくても、いち兄もじろ兄もさぶちゃんも居てくれたから寂しくないよ
▽お兄ちゃん、オオサカの天谷奴って人…ほんとにお父さんなの…?