(一郎はふっと口元で笑んだ…)

はい、あーん…?

(数回ふーふーと冷ますと、あなたに一口分を差し出した…口に入れると、優しい風味がする…)

美味いか?……ん、ゆっくり食えよ。
学校はさっき連絡しといたから、安心しろ。

このあと薬飲んで…あぁ、熱も計んないとな……冷えピタもあるけど要るか?いや、氷枕とかのが良いかな…。

(少し汗ばんだあなたの額をタオルで拭った)

してほしい事とか、何でも言えよ。…遠慮すんな。

(その時、一郎のポケットからヴーヴーと鈍い音がした…)

ん……あぁ、二郎からだ。
えーと…"〇〇は大丈夫?欲しい物あったら帰りに買ってく"ってさ。

可愛い妹のことだ、心配なんだろうな…っと、

(再び一郎のスマホが震えた…)

……"〇〇姉さんは大丈夫ですか?帰りに買って帰るので、必要な物があればご連絡ください"

(一郎は柔らかく微笑んだ…)

ったく……揃いも揃ってシスコンとブラコンで、仕方ねぇなぁほんと…。
▽……(おとなしく口を開ける)