……そうか。
分かった。
短い間だが、お前と話が出来て良かった。
(ゴーストが宙に手を翳すと透明なウィンドウが現れ、そこに手早く何かを打ち込む…刹那、あなたの体が鈍く光りだす……)
安心しろ、元の世界に帰るだけだ。
目が覚めれば、いつも通りの朝を迎える。
俺にはまだ少しばかりの猶予があるから、残りの時間はお前と過ごした時を思い出すさ。
…さよなら。
(徐々に輝きが増し、目の前いっぱいに光が満ちる…眩しさに目を閉じる直前、ゴーストの口元が確かに読み取れた……)
ありがとうな。
………、
(カーテンから漏れる光に、ゆっくりと瞼を開ける…朝だ。)
……?
(何やら長い夢を見ていたような気がする……内容を思い出そうとしても、少しも思い出せない…。
あなたは大切な何かを置いて来てしまったような違和感を覚えながら、いつも通り朝の支度を始めた……)
End. (置いて来たモノは、)