名前:シャルロット

同じ部屋で過ごした日数50日目

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「私はあなたのお母さんでは無いわ。
そしてあなたのご両親とも面識は無い」

「でも……あなたが自分のご両親について知りたい、というのであれば心当たりがない訳でもないの」

「優……あなたをこの世界に連れてきた者に会えば分かるはず。でもそれは簡単な事では無いのよ。辛い事や痛い思いをするかもしれない。優はそれでもご両親について知りたいというのかしら?」

優と呼ばれた半人半竜の子はその問いかけに強く頷く。

「はい、先生。ボクはどうしてこの世界に来たのか、お父様とお母様に何があったのか……ボクは知りたいんです」

「……そう。では、まずアオイのもとに行きなさい。あなたをここに連れてきた者のところに行く方法だけれど……それにはこのお城の地下深くにある門をくぐらねばならないの。そしてその門は鍵がかかっていて普段は開くことはないわ。そこまでは分かったわね?」

「はい、先生」

「その門の鍵を持つのはアオイ。だからアオイから鍵を受け取りなさい。そうすれば門を開く事が出来るわ。
……アオイに会って、あなたの目的を説明すればきっと鍵を貸してくれる」

「分かりました、先生!それじゃあ……」

「待ちなさい。アオイのところへ行く前にあなたにこの指輪を託すわ。といってもそれはただの指輪じゃないの。それを右手の中指に嵌めなさい。

……それは使用者の一つの未来を呼び出すマジックアイテム。もし、今の現状でどうしても対処出来ない困難や危機を感じる事があれば使うといいわ。それじゃあ、優。……行きなさい」

「はい!先生、ありがとうございます!行ってきます!」

優が一礼の後部屋を出た事を確認した後、
「先生」は玉座を思わせる華美な装飾の椅子からゆっくりと立ち上がった。
180cmはありそうな長身に腰まで伸ばした黒髪が靡く。

「…………思った通りね」

「シャルロットの過去2」
「シャルロットの過去」