名前:シャルロット

同じ部屋で過ごした日数50日目

良評価をあげよう

とりあえず行ってみる事にした。

これ程の魔力を放つ存在はそうそう居るものでは無い。
しかも、あきらかにあたしに向けて魔力を放ってきている。
つまり、向こうはあたしを呼んでいる、ということになる。

…遅かれ早かれ、何らかの形で会うことになるだろう。
それに、まだこちらに敵意があると決まった訳でもない。
少しだけ様子を見て、ヤバそうならそのまま見なかったことにして帰ればいい。

あたしは意を決してパジャマを着替え、目立たない服装に着替えると、頭痛を堪えながらヘレネが目覚めてもいいように「少し散歩に行く。すぐ戻る」とだけ書き置きを残して家を出た。



夜道はそこまで怖いものでもない。
この時間のこの通りは人通りもなく、野良猫やたまに通り過ぎる車だけがこちらを認識する程度だ。
怖さでいえば、この魔力源の方がよほど怖い。
……それにしても暗い。少し街並みを離れたはずれの方から魔力が少しずつ強く、そして痛いほど感じられる。
少し目は慣れてきたものの、依然明かりの少ないあぜ道を歩く。その間にも頭を刺すような痛みは少しずつ、少しずつ存在感が増してくる。

…………そうして歩いて大体10分かからない位だろうか。
やっぱり、そこに魔力の正体があった。

忘れもしない、あれは──

「………………やっぱり」
「とりあえず行ってみる」