(唖然としている所へ、真田副部長がやって来た)
うむ、熟語の意味を解説しよう。
臥薪嘗胆(がしんしょうたん)とは、中国の故事に基づく言葉だ。
その昔、夫差(ふさ)という男が父の仇を討たんと、硬い薪の上で寝るという苦行に出てまで復讐を誓った。
その後夫差は見事に復讐を果たしたが、その夫差の仇も相手への恨みの念からこれまた苦い肝を嘗め続け…
ジャッカル「おいおい、真田。こういう時にまで、お堅い話はやめようぜ?
○○も困ってるじゃねぇか。」
あ、ああ…すまない。つい入念に語り入ってしまった。
つまりはだな、目的を達成するためにはどんな苦労もいとわないという事だ。
丸井「て言うか……いくらなんでも、クリスマスプレゼントに自分の書はねぇだろ。」
…ふむ、少々難しい字への挑戦も兼ねて、部員への激励の意を込めたのだが…
やはり悦ばれるには値しなかったのだろうか……
それと、○○。
…筒の中をもう一度よく見てみるといい。
(副部長は、最後に小声でそう言うと柳先輩の方へ歩いて行ってしまった。)
(後で確認したところ、筒の底からクリスマスチョコレートの小さな包みが見つかった。)