ごほごほ、と 静まり返った部屋に咳が響く
まさか自分が流行り病にかかるとは思ってもいなかった それも死に至るほどの病に
家族や友人に移すのは申し訳ないので独りで死なせてくれと頼んだが、一人だけ言うことを聞いてくれない人がいた
もうすぐ来るだろうか 彼は

離れた場所からどたどたと足音が聞こえて
くる
看取られる