今年も正月がやってきた 信者のほとんどが神社へ出かけているせいか 珍しく部屋ががらんとしている
極楽教で祀られている神様が住んでおられる神社、という事になっているがそんな物はでたらめだ あんなボロ屋敷に何かが住みついているなど阿保らしい
百年ほど前から教祖をやっているが、時代が変わろうが信者は同じだ 居もしない神様へお願い事にお賽銭...
どうやら本気で神を信じている彼らは、教祖である俺にも同行して欲しいと言ってきかない
「共に初日の出を拝みましょう」などと宣うが俺は日の光を浴びることができない 言い訳を考えるのにも一苦労だよ
とはいえ、教祖がお参りに行かないのも他の信者への示しがつかない 適当な理由をつけて夜に参拝するようにしている
さて 日が傾いてきたな そろそろ出かける支度をするか
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