参拝後の帰り道、君の願い事が気になって聞いてみた
「そっちが先に教えてよ」と素っ気ない返事が返ってきた
「初詣の願い事は、人に言ってしまうと叶わなくなるんだよ」と伝えたら 君は「じゃあやっぱり教えない」と舌を出した

その表情が何だか間抜けっぽくて思わず吹き出したら 君も俺と同じように笑いだした

街灯も置いてない仄暗い道が 何故か光を浴びたように明るく感じた


神様なんて存在しない
祈ることは無意味だ


俺は今日だって願い事をすることはなかったし、来年も再来年も、百年後でさえ神頼みなどしないだろう

だが、人間たちが 平穏な日々がずっと続きますようにと 何かへ縋りたくなる気持ちも、ほんの少しだけなら分かるような気がした
正月初詣イベおわり