やっぱり俺は君のことは知らない!初対面だ!君が俺の名前を知っていたのは謎だけどね

助かるのではないかと希望を抱いた矢先、彼の言葉を聞いて一気に絶望に叩き落される

あぁ...そんな顔しないでくれよ ごめんねぇ ただの他人の空似だった ほら、俺ってさぁ沢山人間喰ってるからたまに顔がどんなのか思い出せなくなるんだよね

君を弄ぶような真似をしたことについては謝るよ だから、君は俺が責任を持って救済してあげるからね

既に持ち上げられていた身体が更に宙へ浮く
ゴキャリ、と嫌な音がした 身体の底から音が響くような感覚だ
一瞬言葉にできないほどの激痛が走ったが、もう何も感じない
頭が動かないので、瞳だけを動かしてみると腕が有り得ない方向へ曲がっていた

あぁ、見ないほうがいいよ 目を瞑っていたらどうかな?吸収されるのは初めてでしょう きっと怖いことだろう
数秒で終わるからね 安心してお眠り

目を瞑れと言われても身体が言うことを聞いてくれなくて瞑れないんだ
できることなら自分だって吸収されるところなど見たくはない
だが嫌でも目に入ってしまう 脚が、腕が、童磨の身体に呑まれていくところが

君は弱いのに、最後までよく戦ったねぇ もう身体のどこもかしこも痛むだろう 休むといい永遠に


もう少しで全部呑まれてしまう 喰われてしまう こいつに

助けてくれ 襖になんか入らなければよかった 誰か助けてくれ


助けてくれ 助けてくれ





助けて
具合悪い時は悪夢見がち5