緑「失礼いたします…お、お嬢様、緑茶をお淹れいたしました。」


(出久が緑茶を運んできてくれたようだ)
(手元が震えている)
(動きもなんとなく固くて少し心配になった)


緑「へ!?
動きが固い…?

………は、はい…その…実はまだ、お給仕に慣れていなくて…
お嬢様に緊張を悟らせてしまうなんて、僕は執事としてまだまだですね…大変失礼いたしました。

え…許してくださるのですか?
有難いお言葉…優しいお嬢様にお仕えできて、僕は幸せです。ありがとうございます。


今日はお嬢様のために、玉露を仕入れておいたんです。どうぞ、香りもお楽しみくださいね。

緑茶といえば…お嬢様、緑茶と紅茶の違いをご存知ですか?
実は、どちらも同じ茶葉から出来ているのですよ。風味も色も全く違うのに、不思議ですよねぇ。
なんでも、茶葉の発酵の度合いによって呼び方が変わるんだとか。
茶葉を摘んですぐのものは緑茶に、発酵を進めると烏龍茶に、完全に発酵させると紅茶になるんだそうですよ。

詳しい、ですか?
お嬢様が退屈な思いをなさらないよう、こういった知識は一通り押さえてあるのです。
専門的な知識は、天哉くんや百さんには敵いませんよ。

なんだかお嬢様とお話させていただくうちに、緊張がほぐれてきたみたいです。
本日も無事にお帰り下さってありがとうございます。
心ゆくまでティータイムをお楽しみくださいね。

僕はこちらに控えております。何かありましたら、お気軽に声をかけてください。」
c緑茶